The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
そして嫌な予感を抱えたまま、三ツ谷先輩の自宅で夕食を取ると2人で武蔵神社へと向う準備を行う。
ルナマナちゃんに途中『もう行くの?』と言われたが、気になるので明日は早めに家に来て遊ぶことを約束した。
武蔵神社に着いて駐車場に三ツ谷先輩がインパルスを止めた時であった。
何処からか怒号が響き渡りこちらまで聞こえたのである。
「うわっ!」
「うおっ…びっくりしたって……今の声ドラケンか?」
「多分、そうですよね……」
龍宮寺先輩の声であろう怒号が聞こえて、思わず2人で肩を跳ねさせてしまった。
そして周りにいた隊員達は青ざめた表情。
「マイキー君落ち着いてください!!」
「ど、ドラケン君もっ!!」
怒号に続いて、焦っている八戒の声ともう1つの聞きなれない声が2人を宥めているのが聞こえてきた。
その声に2人で首を捻りながら階段を上がっていると、また怒号が飛んできた。
「だから誰もんな事言ってねぇだろうが!!!」
「そういう事だろうが!!パーを見捨てんのかよ!!」
「見捨てるんじゃねぇよ!!パーが自分から自首するって言ったんだぞ!!その気持ちを尊重させねぇとダメだろうが!!!」
「パーは悪くねぇ!!年少から出すんだよ!!」
「テメェ話聞いてたのかよ!!」
次々と飛び交う怒号。
そして周りには少ない人数ではあるが、隊員達がいて2人の姿を見て青ざめながら震えている。
まぁ総長と副総長の怒号だ。
厳ついし声の覇気も凄いし、これ武道が見たら泣きそうである。
「おいおい…何が起きてんだよ」
「和泉、三ツ谷!」
「エマ…。何が起きてんだよ、あの2人どうした?」
すると青ざめて泣きそうな表情をしているエマが、俺達を見つけると駆け寄ってきた。
そして泣きそうな目を2人に向けながら、ゆっくりと口を開く。
「マイキーとドラケンがね、パーちんについて早めに来てて話してたの。だったら、マイキーが金を使ってでもパーちんを少年院から出すって。でもドラケンがパーちんは自分で自首したんだから、その気持ちを尊重しろって言い争いになって……」
「成程な…。チッ、止めに入らねぇと…おいお前ら何やってんだよ!!」
「タカちゃーん!!」
「三ツ谷君!!」
「林田先輩の理由で喧嘩か……。にしても、止めてんの八戒と松野って奴だけかよ」