The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「なんでそんな事になってんだよ!!パーが逮捕って…くそっ!!」
ダン!!と場地は壁に拳を叩きつける。
まさかの自体に和泉は眉間に皺を寄せながら、武道からこんな話は聞いてない。
その前に何故武道は愛美愛主との抗争を辞めるように言ったのだろうと和泉は考えた。
(未来で、何かあったのか……?)
そう考える和泉だが、脳裏に浮かぶのは怪我をしてベッドに横たわっている武道の姿。
彼のその姿が嫌な記憶を蘇らしていく。
「……ごめんイズミっち」
「………なんで、佐野先輩が謝るんですか。謝る必要、無いでしょ……」
「……でも、ごめん」
「和泉……」
三ツ谷は思わず名前を呼んだ。
何せ和泉の表情が、今にも泣き出してしまいそうな幼い子供の表情をしていたから。
「取り敢えず、パーが捕まった事は他のメンバーにも知らせるしかねぇわな……」
「おう…」
「オレが他の隊長達に伝えてくる。場地は副隊長とか隊員達に伝えんの頼んでもいいか」
「別に良いけどよ」
「…今日、緊急集会する。今後の話をしねぇと」
ドラケンと場地は他の隊員に、パーちんの事に伝える為に病院を出ることに。
マイキーも沈んだ表情でゆっくりと歩き出したかと思うと、和泉の方へと目線をやった。
前髪が目元に隠れておりよく表情は見えない。
だが絶対に苦しい表情をしているのは分かり、だが何も声をかけれずに歩き出した。
「……和泉、どうする。今日来るの辞めるか?」
「……いや、行きます。ルナマナちゃんとも約束してますし、約束は破れないから」
「…そっか。じゃあ和泉が嫌じゃなきゃ、今から来るか?オレん家に」
優しく壊れ物かのように三ツ谷は和泉の手を取る。
夏というのに冷たいその体温に、何故か今は不安でしかなかった。
そして和泉を見れば彼女は小さく頷く。
「……武道のおばさんに、挨拶してきます」
「分かった。廊下で待ってるから」
その言葉に和泉は小さく頷くと、武道と彼の母がいる病院へと向かった。
道中泣きそうになりながらもそれを堪えて、なんと病室に辿り着きゆっくりと扉を開ける。
「おばさん…」
「和泉ちゃん。そんな顔しなくても、大丈夫よ」
「ん…」