The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
安堵の溜息を零した和泉の肩が少し震えている。
するとガラッとまた病室の扉が開き、和泉がゆっくりと視線を扉へと向けるとそこには三ツ谷と場地の姿があった。
「あら…貴方達は?」
「武道くんの知人の三ツ谷隆です」
「場地圭介っス」
「そうなの。来てくれてありがとう」
優しく微笑む武道の母親に、ドラケンが気まずい表情をしてから目線を下に投げる。
そして三ツ谷は目を少し見開き眉を下げながら、和泉の背中を見た。
すると和泉は立ち上がったかと思えば、鋭い目付きでマイキーとドラケンを見ていた。
その瞳の奥には怒りが混じっている。
「おばさん、俺ちょっと1回外出る。あとでまた戻ってくるから」
「…分かった。和泉ちゃん私は気にしてないからね」
「……うん」
「着いてきてもらっていいですか?」
低く静かな声。
マイキー達は小さく頷きながら、病室を出ていき和泉は暫く廊下を歩いてから足を止めると壁に背中を預けて足を組む体制になる。
「で、なんで武道は病院に搬送されて入院とかになってるんですか?」
「つーかお前らパーとぺーやんはどうした?確か集まって愛美愛主の話してたんだろ?」
「どういう事なんだよ。マイキーにドラケン」
和泉と同じく、ドラケンから連絡を受けた三ツ谷と場地は顔を顰めながら質問する。
何故こうなっているのか2人も知りたいのと、何故マイキー達の表情が暗いのか知りたかった。
「……パーが捕まった」
「「は!?」」
「林田先輩が…?」
「愛美愛主の話をしてた時に…」
ドラケンはゆっくりと苦しげな表情をしながら、何が起きたか3人に説明をした。
そして説明を聞いていた和泉は眉間に皺を寄せて、顔を下に向けて深い深いため息を零す。
彼から聞いた話はこうだ。
愛美愛主について話をしていると、武道がやって来て抗争を辞めろと言いパーちんに殴られた。
そしてその後に何故か愛美愛主のメンバーがやって来たと。
「愛美愛主の抗争を辞めろと言った武道を、林田先輩が殴って…。それで何故か愛美愛主の総長の長内が現れてそいつにも殴られた。そして林田先輩はその長内を刺した」
「タケミっちは殴られたせいで、多分脳震盪みてぇのを起こしただと思う。サツから逃げてる時に倒れたんだ」