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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


他人がいる中で寝れるのか。
和泉は多少その事に驚きながら、雑誌を顔に乗せたまま寝ずらいだろうと思い敷布団へと近づく。
寝息が雑誌の間から聞こえており、起こさないようにと手を近づけて雑誌を取った。


「………まつ毛長っ」


他の男性よりも長いまつ毛。
シュッとした顔立ちは綺麗とも言える物であり、和泉は思わずまじまじと見てしまう。

綺麗だなこの人。
だが目が開いているともっと綺麗なんだよなと…と思いながら和泉が顔を更に近付けた時であった。
パチッ……と三ツ谷の瞳が開いたのは。


「……びっくりした」

「あ、すみません。起こしましたか?」

「ん、いや…ただ目が覚めただけだ。…まさか寝ちまうとはなぁ」


起き上がった三ツ谷は先程まで浮かべていた笑みを消し、目をゆっくりと細めると右手を伸ばす。
伸ばされた右手は和泉のウィッグに髪の毛に触れており、優しく親指の腹で撫でていた。


「和泉の目、綺麗だよな」

「そ、う…ですか…?」

「夜空見てぇ。星が散りばめられている、青っぽい夜空見たいで綺麗だな」


髪の毛をサラサラと指の間から落とすと、スルリと三ツ谷の少しだけカサついた指が頬を撫でる。
そして目元へと移動していきまた撫でていき、その感覚が辺で和泉は思わず体を震わせた。

嫌な撫で方ではない。
だけど戸惑う撫で方であり、どう反応をすれば良いのか分からなくて困るのだ。


「み…みつ、や先輩……」

「夜空を見てるようで、好きだな……」


羞恥心が湧き上がった和泉は、何とか顔にそれを出さないようにとして目線を逸らす。
だが三ツ谷の指は未だに頬から離れない…そんな時。


「あちぃー!!」

「あついね!!!」

「あついー!」


3つの声が響き、2人の肩が跳ねる。
どうやらドラケンとルナマナが遊びを終えて、家に入ってきたようだ。


「三ツ谷〜?」

「おかえりっ!!」

「なんだよ、部屋にいたのかよ……て」


部屋から出てきた2人を見てドラケンはピタリと動きを止めた。
そして三ツ谷と和泉を交互に見てから黙っていれば、和泉はどうしたのだろうかと首を傾げる。


「イズミっち、お前三ツ谷に変な事されなかったか?」

「え、あ……いや、別に特に何も…」
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