The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
5人の昼食が始まり、ただ他愛のない話をしながら進んでいく。
何があった、何が起きたや色んな話に和泉は耳を傾けながら焼きそばを口にしていった。
「ごちそうさま!!」
「ごちそうさま!」
「2人とも早いな。ちゃんと噛まねぇと腹壊すぞ」
完食の早い妹達に驚きつつ、三ツ谷はルナの口元にソースがついていたので拭ってやる。
そして2人に続くようにドラケンも食べ終えた。
「ドラケン、遊ぼ!」
「あそぼ!」
「あ?イズミっちと遊ばなくていいのかよ」
「次はドラケン!!」
「はーやーく!!」
「分かった、分かった」
遊んで遊んでとせがむ2人を連れて、ドラケンは外へと向かい和泉はそんな3人の後ろ姿を見ながら焼きそばを咀嚼して飲みこむ。
三ツ谷もまた食べながらドラケン達を見送り、その視線を和泉へと持っていく。
いつの間にかウィッグを付けており短髪姿になっている彼女は、完全なる男に見えた。
(ウィッグ一つで変わるもんなんだな…。だけどよく見れば女の子だ)
不思議な物だ。
そう感じながら焼きそばを飲み込み、麦茶で流しながら食べ終えたので手を合わせた。
「ご馳走様」
「…ご馳走様でした。美味しかったです」
「ははっ、口にあったようでなによだよ。この後和泉は何するんだ?」
「え?……特に何も」
「んじゃ、夕飯までオレの部屋で漫画でも読むか?オレも部屋でしたいことがあるし」
「……じゃあ、お邪魔します」
「おう」
「あ、自分のは運びますから!」
全員の皿を持って行こうとする三ツ谷の手から、自分のとルナマナの引ったくった和泉はそのまま台所へと歩いていく。
そんな彼女に三ツ谷はクスクスと笑いながら、また慣れない皿洗いをする彼女に笑ってしまうのだった。
「三ツ谷先輩笑いすぎなんですよ」
「ごめっ、悪かったって…くくっ」
「笑えないようにしますよ」
「ごめんって、な?機嫌直してくれよ」
皿洗いで笑われた和泉は無表情なままムスッとしており、三ツ谷は笑いなが謝り頭を撫でてやる。
まるで子供扱いな三ツ谷に不満を感じながらも、和泉は水で濡れた手を拭う。
「皿洗いもおわったし、部屋に行くか」
「はい」
「和泉、ごめんって。んな不機嫌そうにするなよ」