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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第1章 泣き虫ヒーロー誕生


「客が引いてんぞー」

「……誰?」

「ムキになってんじゃねーよ。主催がよー」


低くゆったりした声に喋り。
キヨマサを宥めるかのような言葉をかけたその声の主は、ゆっくりと歩みを進めていく。

そして武道と和泉はその人物が何者なのか…と考えていれば周りがザワつきを見せる。
するとギャラリーの元に居た千堂と鈴木マコトが目を見開かせていた。


「金の辮髪、こみかみに龍の刺青…。東京卍會副総長!!龍宮寺堅、通称“ドラケン”!」


東京卍會という言葉に和泉は目を大きく開く。
千堂の『東京卍會』という言葉は、武道から聞いた12年後の犯罪組織の名前。
そして情報を集めている佐野万次郎が総長であるチーム。


「ねぇねぇ?ケンチン?」

「あ!?そのアダ名で呼ぶんじゃねーよ、マイキー」

「どら焼きなくなっちゃった」


するとこの場に似つかわしくない言葉を発する者の声が聞こえて、和泉は眉間に皺を寄せた。
そして千堂達は口元をひくつかせながら苦笑を浮かべ、龍宮寺堅ことドラケンの後ろにいる男に目を向ける。

彼より小柄な体に身長。
ピンクゴールドの髪の毛に前髪を上げた髪型に、口元にはどら焼きのカスを付けていた。


(待てよ……コイツ、まさか……)


和泉はドラケンが現れた時のように、目を見開かせながらピンクゴールドの髪の毛の男を見た。
だが彼女が驚きをみせている中、千堂達は呑気な言葉を放つ。


「なんだあいつ?」

「場の空気、全然読めてねぇ」


だが次の瞬間、まるで訓練されたかのように一斉にギャラリーにいた男達が頭を下げだした。
その様子に武道は少し驚く。


「総長!!お疲れ様です!!」

「お疲れ様です!」

「お疲れ様です!」

「お疲れ様です!!」


この場にいる東京卍會のメンバー意外の者達は、そう声を貼り頭を下げていた。
そして武道と和泉は目を更に見開かせる。


(まさか、こいつが…!?)

(こいつが……!!)


12年後の未来で犯罪組織・東京卍會の2トップであり、日向と和泉が死ぬ原因。
そして武道が過去にタイムリープをしてミッションを成し遂げる為に接触しなければならない者。


「お疲れ様です、総長!!!」

「佐野、万次郎……」

「無敵の“マイキー”。東卍のボスだ!!!」
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