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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


「鳴海さんのように、黒龍を変えてくれたように…」

「変えてくれる…か」


静かな空気が流れた時である。
ガチャッ!!と勢いよく玄関が開いたかと思えば、ルナとマナがきゃははと笑いなが入ってきた。
そしてマナの手には何やら黒いものが握られていた。


「なんだ、なんだ?」

「コラ!部屋の中で走るな!!」

「ルナマナちゃん!それ返して!!」


すると三ツ谷の叱責を遮るように和泉の叫び声。
その声に驚いた三ツ谷とドラケンは、その声の方向を見ると目を見開かせた。

短髪で男に見えていた和泉は、今は漆黒の長髪を揺らしており『少女』だった。
そして焦った表情を浮かべている。


「イズミっち…どうした?髪の毛…」

「ルナマナちゃんに、ウィッグ取られて…」

「取られた?…って、マナ!!勝手に人の取ったら駄目だろうが!!」

「だって、和泉お姉ちゃんウィッグないほうが良いよ?美人さんだし綺麗だし」


悪びれる事ないマナはウィッグを手にしたまま、三ツ谷の方を見ると『お兄ちゃんもそう思うでしょ?』と聞く。
確かに髪下ろしていると可愛いけど、三ツ谷は溜息をついてからマナの手にあるウィッグを取りあげた。


「ほら、和泉。悪ぃな」

「いえ…」

「ルナマナ、勝手に取ったらダメだぞ」

「「はーい…」」


不服そうに返事する妹2人に溜息をついた三ツ谷は、ウィッグを手にして疲れた表情を浮かべる和泉の元に向かった。
そしてウィッグを目の前に見せる。


「悪ぃな、和泉」

「いえ…」

「ははっ、疲れてんな。外暑かったろ?」

「そうですね…。ルナマナちゃん、元気ですよね」


苦笑を浮かべる和泉は額に浮かぶ汗を拭う。
体力はあるが、この暑さの中での外遊びはなかなか堪えるものがある。
それに元々和泉は暑さは得意な訳じゃなかった。


「水分補給しとけ。ほら、ルナマナもな」

「出た、三ツ谷ママ」

「誰がママだゴラ。叩くぞ」


揶揄うように笑うドラケンを一睨みすると、三ツ谷はグラスを3つ用意してから麦茶を注ぐ。
グラスを3人を渡してやると昼ごはんの焼きそばを作る続きを始めた。

そして焼きそばが出来上がる時である。
三ツ谷宅に電話の着信音が響き、その着信音は和泉の携帯であった。
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