The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「ドラケン君毎日こんな人のサポートしてんだもんな。もし、ドラケン君がブチ切れたら…」
「不満爆発で?だけど…たかが不満爆発で喧嘩して抗争に勃発するか?」
「……だよな」
ファミレスを出てからまたストーカー…じゃない尾行を続けていく。
その間も龍宮寺先輩はずっと佐野先輩をおぶっており、疲れないだろうかと思った。
暫く歩いて跡を付けるいけば、龍宮寺先輩はある場所で足を止めた。
そして眠る佐野先輩へと声をかけて起こす。
「マイキー、着いたぞ」
「ん?ムニャムニャ」
龍宮寺先輩がやって来た場所。
そこは病院であり、何故病院に来たのだろうかと疑問を抱く。
「病院?」
「おう」
「こんなトコになんの用なン?」
「……ちょっとな」
病院に入れば微かな消毒液の匂いがする。
そして迷いなく歩いていく龍宮寺先輩の跡を付けていけば、集中治療室…ICUの病室前で2人の足が止まった。
俺と武道は少し離れた壁に隠れながら、様子を伺えば2人の目線の先にはとある少女が横たわっていた。
酸素マスクを付けられて、色んな器具で繋がれている。
「誰?」
「パーの親友の彼女だ」
パーの親友の彼女。
ふと考えれば、三ツ谷先輩に聞いた愛美愛主にレイプされた人であり愛美愛主との抗争の原因の1つ。
「頭7針縫って、歯ぁ折れて左目網膜剥離。体中打撲で肋骨折れて5日間意識戻んねーって」
龍宮寺先輩の言葉に息を飲んだ。
愛美愛主と揉めたのは、あの子の彼氏でありあの子は悪くないだろうに。
それなのにアレだけの怪我を負わされている。
酷いという言葉以上の物であり、俺は眉間に皺を寄せて気分が悪くなった。
「チッ…だから不良は嫌いなんだよ」
「和泉…」
「関係ない奴ばかり巻き込んで、怪我負わせて…」
俺が不良が嫌いになったきっかけ。
それは武道と俺がまた幼少期の頃に、不良が理不尽な理由で絡んできて武道に怪我を負わせたから。
その時俺も怪我をして、頭をレンガにぶつけて数針縫った。
「愛美愛主にやられてこの仕打ちだ。路上に倒れてたのを通行人が見て通報したんだ」
通報されたのはまだ良いだろ。
もし見つけられていなかったら、あの子はどうなっていたのだろうか。
そう思った瞬間廊下に怒号が響き渡った。
「何しに来たんだオマエら!!」