The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
でも何が理由で?
少しドキドキとしながら見ていれば、佐野先輩の表情はムスッてしておりそしてある物を指さしていた。
「旗が立ってねーじゃん!!」
佐野先輩が指さしているもの。
それは机に置かれた、お子様ランチのプレートであり山のような形に盛り付けられているご飯だ。
「え?」
「は?」
「オレはお子様セットの旗にテンション上がるの!」
「す…すいません。今付けてきます」
「もう要らねー」
「ホラ、マイキー。旗だぞ」
「わーー!!さすがケンチン!!」
待て、ちょっと待ってくれ。
あの人お子様ランチに旗がないから『許さねぇ』と叫んだのか?たったそれだけの理由で??
そうお前たら何故か俺は頭が痛くなった。
本当にあの人東京卍會の総長で、未来の犯罪組織の2トップで真一郎君の弟であり俺より1つ年上なのかと思いながら。
「どっから持ってきたんだ…。恐るべしドラケン…」
「あの人、本当に俺らより年上なのかよ……」
「は、ははっ…」
呆れ半分な状態で見守りながら、俺はまたアイスコーヒーを飲みながらストローを齧る。
そして2人がファミレスを出るまで待つことにしたが、しばらくすると…。
「あーー!!!もうやってらんねーー!!ウッセぇんだよマイキー!!」
「…びっくりした」
「なんだなんだ…!?今度こそ喧嘩…」
なんだ、なんだと2人で覗く。
するとそこにはソファ席に丸まって眠っている佐野先輩の姿があり、俺は落胆しながら座る。
寝てるのかよ。
というかよくここで寝れるよな…ホントにあの人俺より年上なのだろうか。
というか東京卍會に入るの辞めようかなと思ってしまった。
「え!?寝てる!?うるせーって、イビキ?」
「食ったらすぐ寝るの、いい加減に直せよ!」
「うーん。ムニャムニャ、もう食べられないよー」
「ったく。しょーがねーな」
そう言うと龍宮寺先輩は佐野先輩をおぶると、会計を済ませて扉を足で蹴ってから出ていく。
まるでその後ろ姿は子供をおんぶしている父親だ。
「おんぶされてる…」
「まるで、幼児みたいだな…」
それにしても龍宮寺先輩は凄い。
わざわざ佐野先輩をおんぶして運ぶし、あんな人を毎日サポートしているのだろう。
副総長とは言え、疲れたりしないのだろうかと関心しながら溜息を零した。