The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「は?付き人?ヤだよ」
「アザース!!!!…って今なんて?」
「付き人とかうぜぇし、1人でもなんでもできるし。大体オマエ、なんの役に立つの?」
俺コント見てる気分だ。
思った通り付き人は断られているし、ほんとまだ何も役に立ってないのだから無理に決まっている。
確かに龍宮寺先輩って付き人いなくても何でも出来そう。
そう思いながら去っていく彼の背中を見てから、呆然としている武道を見た。
「ほらな…。付き人は諦めて、他の作戦練るぞ」
「いや!断られる事は想定外だったけど!!」
「想定内だったわ」
「しかし!そんな事で諦めるオレではないのだよ、ドラケンさん」
「無視かよ」
そして武道はプランBがあると言い出し…。
何故か龍宮寺先輩の尾行をする事になり、武道が言うにはこれから8月3日まで徹底的に見張ると。
「ストーカーしてる気分…」
「ストーカーじゃねぇよ…!」
いや十分ストーカーみたいなんだよ。
コソコソと龍宮寺先輩の跡をつけているし…と思いながら何処にいくのだろうかと壁の影に隠れて見守る。
そして途中龍宮寺先輩は佐野先輩と合流。
直ぐに近くのファミレスに入ったので、俺達も入ってから少し離れた席に座った。
「真面目にストーカーしてる気分なんだけど……」
「ストーカーじゃなくて、尾行」
「言い方変えただけじゃね?」
「全く別物…!」
溜息をつくのと同時に、アイスコーヒーの入ったグラスの中の氷が音を立てる。
そして俺はストローを齧りながら1口飲めば、暑さで火照った体が少しだけ冷えていく。
「変わりはない?」
「特に〜」
ちょうど俺の席からは佐野先輩の姿と、龍宮寺先輩の後ろ姿が見える。
だが武道は見えないので俺にそう聞いていたが、変わりはないなと思った時であった。
「なんだよコレ!!?」
「喧嘩か…!!?」
「ん?」
ファミレス店内に佐野先輩の怒りの叫びが響く。
どうしたのだろうかと、武道と一緒に顔を覗かせて見れば佐野先輩の眉間には皺が寄っている。
「もう一緒に許さねぇ」
「あ?」
「…これが2人の喧嘩の発端…!!?」
何が起きているのだろうか。
そう思いながらバレないように顔を覗かせていれば、佐野先輩の『許さない』発言に龍宮寺先輩のドスの聞いた声。
本当に喧嘩が始まったのだろうか。