The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
まぁ元々鳴海ねぇの名前は有名だ。
伝説のレディースチーム朱雀の初代総長であったが、その後真一郎君と付き合う事になってからは初代黒龍へと移籍した。
初代黒龍では取締役として真一郎君を支えていたのだ。
「て事でお前ら、2人のこと覚えてろよ」
「おー」
「了解」
「タケミっちとイズミっちも、覚えといてくれよ」
覚える事は得意だしな。
そう思いながらぐるっと周りを見てから、顔を一つ一つ覚えていく。
その後は解散。
俺は武道と帰る事にしたが、武道がトイレに行ってくると言うので駐車場で待つことにした。
(にしても…東卍にけーすけ君がいるとは。まぁ、知り合いがいる事は嬉しいけど)
嬉しいけど、何故けーすけ君は暫くの間連絡が取れなかったのかと考えた。
何があったのだろうか。
「おーい和泉」
「けーすけ君……」
「実は紹介してぇ奴がいるからよ、ちょっと来てくれよ」
「うん…分かった」
誰を紹介したいのだろうか。
なんて思いながら、一応着いて行けば人だかりが出来ている場所がある。
「千冬!!」
「はい!どうしたんスか?場地さん」
「紹介してぇ奴がいるから来いよ」
階段の所にいた1人の男を呼ぶけーすけ君。
すると金髪にピアスを付けた男が、まるで飼い主に呼ばれた犬のように駆け寄ってくる。
ニコニコしてるし見えないはずの尻尾が見えるんだよな。
そう思いながら頬を掻いていれば、犬のような男は俺を見ると警戒したような顔をしている。
「コイツ、壱番隊の副隊長の松野千冬。千冬、こっちはオレの世話になった人のイトコの神澤和泉だ。コイツもしかしたら壱番隊に入るかもしれねぇからな」
「そうなんスね…。ども」
「どうも…」
お互い無表情のまま。
警戒心強いんだろうな…と思っていれば、けーすけ君が苦笑を浮かべているのが見えた。
「まぁ…そういう事だわ。つーか誰か待ってたのか?」
「幼馴染」
「ああ…アイツな。んじゃ戻った方がいいわな…オレはもう帰るとするかな」
「じゃあね、けーすけ君と松野さん」
そう声をかけてから俺は先程いた場所に待ち、木に背を預けてから武道を待つ。
というかトレイ長すぎだし、迷っているのだろうかと首を捻る。
「遅いな」
「誰か待ってんのか?」
「え?」