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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第2章 東京卍會


お前を守ろうと思って、ずっと見守ってきたんだ。
タクヤも言っていたけど、お前の事なら大体は分かるんだから俺ら幼馴染は。


「後で…帰ったら話す」

「……分かった。だけど辛いとかあるんなら無理に話す必要はないんだからな」

「ホント和泉はすげぇな……」


何処か辛そうな顔をしている武道に、何かあったんだろうと想像はつきやすい。
何かあったかは無理に聞き出すのもアレだろうけど…気になるは気になる。

泣きそうなぐらい揺れている瞳。
泣くのを我慢しているかのような表情と、唇を噛んでいるその姿に眉が下がる。


「そ、そういえば!」

「あ?」

「和泉!!お前無茶しすぎだよ、早々に東卍の人と喧嘩しそうになってさ!!」

「アレはあっちが悪い。俺の大事な幼馴染、傷付けようとしたんだからな。お前は俺の大切な幼馴染なんだ…守って何が悪い?」

「うっ」


微笑みながらそう聞けば、武道の頬は赤く血色の良い色へと変わっていく。
照れているなぁと思いながらニマニマしていれば、武道の顔色はどんどん真っ赤になっていた。


「照れてんのか?お前」

「うっ、うっせぇ!!」

「可愛いな〜武道君はぁ〜」

「和泉時折うざい!」

「うざいは酷いなって…逃げるなよ。照れみち君」

「誰が照れみちだぁ!!!」


階段から立ち上がった武道は、『うわぁぁ!!』なんて言いながら走り出すので俺も立ち上がって走りながら追いかけていく。
軽い鬼ごっこのような事をしていれば、幼少期の事をつい思い出してしまう。

あの頃が1番幸せだったのかもしれない。
まだ誰も死んでいなくて、笑顔だけしかなかったあの幼少期が。


「楽しそうにしてんね」

「あ、マイキー君…」

「佐野先輩…」

「お前ら幼馴染仲良しだねぇ。待たせてごんめな」

「いえいえ」


佐野先輩はニコニコしながらやって来たかと思えば、武道の肩に腕を回していた。
そして武道はと言うと緊張してんのか、怖いのか分からないが固まっている。


「今から隊長達を自己紹介するから、来いよ」

「分かりました」

「にしてもイズミっちすげぇよな。パーを蹴り一つで吹っ飛ばすんだから。でも、無茶はダメだぞ〜」

「すみません」

「絶対にすみませんなんて思ってないじゃん…」


ボソリと隣で武道がそう呟いたので蹴った。
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