The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「すびばせんでした。もう二度とこんな事はいたしません」
「知らない!」
「怖ー」
終わったようでチラッと見ればボコボコにされている武道が、正座をして謝っている。
だが橘は完全に怒っているようで、怒気を孕んだ瞳をしたまま歩いて帰ってしまった。
と言うか何をしでかしたんだよアイツ。
そう思いながら溜息を付いていれば、ふとチクチクしたような視線を感じた。
(何処から……)
視線を漂わせていれば、ある一人に辿り着いた。
肥満体型に口元に傷があり、だいぶ目付きが悪い男であり俺を何故か睨んでいる。
(なんだ、アイツ)
睨まれる事はしてないけどな。
そう思いながら目を細めながら、肥満体型男を逆に睨み返せば視線が逸らされた。
「……何だった?」
「どうしたぁ?イズミっち」
「……いや、何でも無いです。にしても、想像してたより人が多いですね」
「少ないと思ってたのか?」
「正直に言うと」
「お前、素直だよなぁ…。まぁマイキーに惹かれて来た奴が多いんだよ。さてと……タケミっち、終わったかー?」
すると龍宮寺先輩がボーとしていた武道に声をかける。
恐らく雰囲気にして、武道は未来の武道なんだろうなと感じた。
「オラ!!集まれテメーら、集会始めっぞ!!」
龍宮寺先輩がそう叫んだ瞬間、武道の肩が思いっきり跳ね上がっていた。
確かにあんなドスの聞いた声だと跳ね上がるだろうな。
ビビりの武道ならな…と苦笑を浮かべた。
すると龍宮寺先輩の言葉に、その場でザワついていた隊員達が1列に並んでいく。
何処のヤクザだよと思わず笑いそうになるが、この状況は何処か懐かしい。
「お疲れ様です!!総長!!!」
「何処ぞのヤクザ…」
「イズミっち〜、聞こえてんぞー」
「イズミっち、素直過ぎというか口に出しすぎー」
「和泉、ちょっと黙ろ??」
俺の発言に、周りの隊員達に何か言われるのかと思ったのか武道は俺の裾を引っ張ってきた。
目はウルウルと涙が溜まっていて、相変わらずビビりだなと笑いそうになる。
「タケミっち達、そこで聞いてろよ」
「はい」
「了解っス…」
階段の石段近く立つ。
そして上を見上げれば佐野先輩が立っていたが、あのふざけたような小さい子供のような雰囲気が無くなっていた。