Bitter Sweet【DEATHNOTE】【L】
第15章 思い出のキャンパス
side
・
ワタリさんが、車でワイミーズハウスの前まで迎えに来てくれた。
ニアの事が気がかりだったけれど…
『絶対戻ってくるから。』そう言い残してワイミーズハウスを後にした。
ニアは何も言わなかった。
「エルがキャンパス近くのカフェで待っています。」
『キャンパスで?』
「二人で初めて行ったケーキ屋と言っていました。」
『!』
・
・
ケーキ屋さんの扉を開き中に入ると、エルが既にホールケーキを頼んでいた。こちらに気付き、ひらひら手を振るエル。
『ここのお店…懐かしいね。』
エルが頷く。
「キラ事件で殆どデートもできず…すみませんでした。今からは二人で、その時間を一緒に埋めていきましょう。」
『…っ、うん!』
「食べてください。」
エルがケーキを私のお皿に取り分けてくれた。
『ありがと。』
二人でケーキを食べる。
「……ニアと、話しましたか?」
『えっ』
「ニアは私にもしもの事があった時の、後継者になる男です。だから今回もこうして、を安心して預けられました。」
『エル…』
エルが俯いている。
どこか寂しそうだった。
『私はエルがいい。』
「…っ」
『エルの後継者?そうかもしれない。でも、エルは…私の大好きな人は今目の前にいるあなたしかいない。他に代わりなんていないの。』
エルはキョトンとした後、にっこり笑って「お互い様です。」と言った。
・
・