Bitter Sweet【DEATHNOTE】【L】
第9章 回想
L side
___アメリカ合衆国,半年前
Lは探偵業の傍ら、各国のトップクラスの大学を転々としていた。
あらゆる分野に精通するLの頭脳を求める機関は多かったし、彼自身も色々な場所を点々としている人生が性に合っていた。
名声や権力を得る事に全く関心はなかったが、その天才的な頭脳故に気付いたら儲けも名声も付いてきていた。
そんな常人離れしたLには当然友人と呼べる者も
ましてや恋人もいなかった。
『私が彼氏になってって言ったら、どうする?』
面倒な駆け引きもしないあまりにも真っ直ぐな問いかけに、驚いて紅茶を溢した事を覚えている。
何故か分からないが、初めて見た時からを気に入っていた。
L自身もその理由は分からなかった。
こんな風に無鉄砲で馬鹿正直に感情をぶつけて来たのはが初めてで、全てがLとは真逆のものだったからかもしれない。
その日、Lの中で何かが変わった。
「いいですよ。」
『……へ?』
「私で良ければ。」
『……え!?!?』
自分で彼氏になって欲しいと言っておいてそんなに驚いた顔をするなんて…面白い人だ。そう思った。
自分と付き合って…この子は幸せなんだろうか。
最初のうちはよく考えていた。
でも付き合い始めてから、の事を知れば知るほど、Lは自分でも驚く程に惹かれていった。
真っ直ぐで、意外にも芯は強い
どこか危なっかしくて目が離せない
そして
『エル…!大好きだよ』
誰より笑顔が綺麗だった。
Lはに夢中になった。
初めて、他人の為に自分を犠牲にしたいとも思った。
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