Bitter Sweet【DEATHNOTE】【L】
第4章 夜神くん
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突然、物凄い音と共に夜神君が倒れる。
『(エル…!?)』
気付くとエルが立っていて、夜神君を殴っていた。
月「流河…いきなり何するんだ!」
__ガンッ!!!
L「……っ。」
夜神君がエルを殴りかえす。
ど、どうしよう…
エルが夜神君にまた殴りかかろうと拳を振り上げた
『やめて!!』
慌ててエルの腕にしがみつく。
L「………。」
エルは私を見ると、拳を下ろした。
L「…ライト君、彼女に近付くなんてどういうつもりですか。」
夜神「おいおい流河。ただ友達になりたいと言ったことが、そんなに腹立たしいのか?」
エルと夜神君が睨み合う。
L「……彼女を送ります。失礼します。」
私の肩を抱き、エルが歩き出した。
夜神「………。」
気付くとワタリさんがもう正門前まで車で迎えに来ていた。
車に乗り込むまで、エルはずっと無言だった。
__バタン
車のドアが閉まる。
「彼に名前を言いましたか?」
『え…?ううん、言ってないよ。エルが不用意に人には名前を言うなって言ってたから。』
エルがほっと胸を撫で下ろしたようにみえた。
夜神君に…名前を言ったらまずいのかな。
ハッとする。もしかして、エルの関わってる事件って…
キラ事件…?
『エル…ごめんね、私エルを喜ばせたくて。カップケーキを届けにきたの。』
「!…そうだったんですね。驚かせてすみません。」
『ううん、私こそごめ……』
エルに手を握られる。
『…っ』
私の手を握るエルの手は、震えていた。
「…、あなたを危険な目に合わせたくない。私がいない時は極力一人で外を歩かないで下さい。」
『…うん、分かった。』
「勝手な事を言っているのは分かっています。ただ、にもしものことがあれば……私はどうすればいいのか分かりません。」
『エル、本当にごめん。気をつける。』
エルをぎゅっと抱き締めた。
エルも私を抱き締め返す。
無自覚だった。
エルがどれ程危険な仕事をしているのか、今の様子で嫌でも分かった。
「…ケーキ、美味しそうな匂いですね。」
『エルの大好きな、チョコチップが入ってるの』
「それは楽しみです」
この幸せを壊したくない
エルに、負担をかけたくない
心の底からそう思った