第9章 微熱を帯びたお酒
エルドがフィンの頬に当てた指先を
ゆっくりと唇に動かしていく。
唇をそっと親指で撫でる。
「キス・・・していいか?」
と合意を求めてくるエルド。
「・・・ダメに決まってます・・・・。」
と顔を赤くしてそむけた。
「そうだよな……」
とエルドが残念そうに呟く。
エルドは腰に当てた手を
下半身の方にゆっくりと滑り込ませていく。
「だめです……!!」
フィンがエルドの腕をつかもうとする。
お尻に手を回されて
そのままソファーに押し倒された。
「エルドさん……いやです……!!」
エルドの肩を叩くフィン。
「フィン、嫌って言ってるけど、
どうして顔赤いの?」
エルドがにやっと悪戯に笑う。
「……お酒のせいですよ……。」
フィンはパタパタと顔を仰ぎながら
エルドから顔をそむける。
エルドがフィンの胸もとに顔を沈める。
「ここ、すっごくいい匂いするよ。」
とエルドがフィンを見上げながら話す。
エルドの上目遣いは、色気に溢れすぎていて
フィンには刺激的すぎた。
でも火事からシャワーを浴びてないから
きっと自分の匂いは最悪なはず。
恥ずかしさで胸がいっぱいになって
フィンは涙ぐむ。
すーすーと匂いを嗅ぐエルド。
しばらく匂いを嗅がれている。