第9章 微熱を帯びたお酒
久々に飲むアルコールが
口の中に心地よく広がっていく。
かなりアルコール度数が高いので
お互いの顔は赤くなっていく。
フィンより飲むペースを上げるエルドは
ほろ酔い気分でいろんな話をしてくれた。
昨日の昼間に兵長が初めて紅茶をくれたこと。
その時の兵長がすごくうれしそうな
雰囲気を出していたこと。
物珍しかった。
なのに今日は殺伐とした雰囲気で
自分が気を使って振舞っていた大変だったと
少し愚痴をこぼす。
愚痴をこぼしたかと思えば、
リヴァイ兵長の強さや仲間想いの一面が
あることを話していかに慕っているのか話してくる。
そしてハンジ分隊長が変人でいつも
巨人のことで頭いっぱいで
モブリット副長がかわいそうだと話す。
モブリットがハンジに苦戦する姿が、
自分とリヴァイの関係と重ね合わせて
モブリットに親近感を感じるという。
フィンはエルドの話を時々笑みを
浮かべながら聞いた。
エルドが話す調査兵団は、
私を突き放した調査兵団の人たちではなかった。
どちらの一面も調査兵団なんだろうと思った。
もしかしたら、
私を突き放したのは危険な目に合わせないように
と配慮してくれたのかもしれないと考え込む。
急に部屋が静まり返る。