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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第9章 微熱を帯びたお酒




「フィンが紅茶屋さんで、かわいい義賊って
いろんな面持ちすぎじゃないか・・・。」
とエルドは興味深そうに
紅茶を淹れるフィンを眺めていた。

フィンは慣れた手つきで紅茶を淹れる。

「お酒・・・もしかしてロングアイランドティー作ろうと思ってました?」
とエルドの顔を覗き込む。

エルドは少し戸惑いながら
「ちょっとお酒入れた方がいいかなって思ってね。
作ってくれた紅茶にお酒を入れるなんて
しつれいかな」
と作り笑いを浮かべるエルド。

「全然。私もこのカクテル好きです。」

エルドが
「フィン、成人してるの?」
と大きな目をぱちくりさせて聞いてきた。
「今さら確認するんですか」
っと笑いながら紅茶の入ったマグカップに
お酒をトプトプと注いでいく。

「兄が酒屋で働いてたので。」
とノインのことが心配になり声色が震える。

「フィンって何歳なの?」
エルドが唐突に聞いてくる。


「エルドさんが思ってるより若いかと‥‥」
「大人っぽいな‥‥」
エルドが苦笑いで話す。

ふふっとフィンは笑う。
「はい、どうぞ。」

エルドに作ったロングアイランドティーを渡す。
「ありがとう。」
エルドが嬉しそうにマグカップを受け取る。

「ほんとにお酒好きなんですね。」
「あぁ。久しぶりに飲むからね。」
と声色の明るいエルドが話す。

「ロングアイランドティーの意味、知ってますか?」
とフィンはエルドに聞く。
「意味?知らないな…。」
「≪希望≫です。
前向きな気分になれるように
って意味が込められているんです。」

「≪希望≫か。
乾杯にはぴったりの意味じゃないか。」

「≪希望≫に」
と二人でカチン。
とマグカップを合わせて飲んだ。


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