第8章 理由と意地
フィンは慌ててスカーフを拾って首元を隠す。
リヴァイがものすごい速さでフィンに近づき
スカーフに手をかける。
「おい。見せろ。」
低く冷たい口調でリヴァイは言い放つ。
フィンはスカーフを握って離さない。
モブリットがリヴァイの前に手をかざす。
「チッ・・・・
てめぇ。もう忘れたのか。」
今にもモブリットに
殴り掛かりそうなリヴァイの視線が光る。
「オイ。早くしろ。
手どかせ。」
リヴァイの手に力が入る。
スカーフが破れそうにメリメリと音を立てる。
フィンの首を絞める勢いで力を入れるリヴァイ。
「リヴァ・・・苦し・・・。」
「なら手を早く離せ。」
フィンはあきらめて
スカーフから手をゆっくりと離す。
スカーフが剥ぎ取られて
フィンは咳き込む。
フィンの首もとの赤い印を見て
リヴァイの血走った目が
モブリットに向けられる。
同時にモブリットの胸ぐらを
リヴァイの手がつかんでいた。
「手を出すのが随分と早ぇじゃねぇか。
モブリット盛ってんのか?」
リヴァイの三白眼が冷たく睨みつける。
「いや、俺じゃありません。」
と冷静にモブリットは手を挙げて
降参のしぐさを見せながら話す。
「・・・・・なんだと?」
モブリットの胸ぐらをつかむ力が緩んだ。