第8章 理由と意地
ハンジが
「早速で悪いんだけど私にも
状況を聞かせてくれるかな」
と真面目な顔でフィンの顔を覗き込む。
フィンは、
ノインがハブデインの精製者だったこと、
部屋で見つけたノートには
S・Hのイニシャルが書かれていたこと。
そして火炎瓶のようなものが
投げ込まれたことを話した。
「ミケさんは……私なんかを庇って……」
と声を震わせながら話すフィン。
ハンジが優しく肩に手を置いた。
「結果的には、フィンのおかげでミケは無事だし
二人とも無事でよかったと私は思うよ。」
フィンは下を向きながら頭を縦に振った。
ハンジが
「でもさぁ、燃える家に突っ込んでいった
リヴァイには驚いたよ!!
止めたって聞かないんだもん」
と笑いながら話す。
リヴァイはソファーにドカッと
音を立てながら腰掛け、舌打ちしながら
「うるせぇ、削ぐぞクソメガネ。」
と呟いた。
「それから、部下の躾はしっかりしとけ。」
リヴァイがモブリットに指を向けながら話す。
モブリットの顔が一層険しくなる。
ハンジがまた笑いながら
「えぇ?モブリットがリヴァイに何したの?」
と驚きながら目をまるくした。
「つぎまた俺の命令に逆らったら
クソ漏らすまで蹴るぞ。」
リヴァイが鋭い目付きで
下からモブリットを睨みつける。
モブリットは黙って俯いまま立っている。
フィンがそっと口を開く。
「あの……エルヴィン団長の容態は……」