第7章 紅い過去
フィンの、鼓動が一気に早くなる。
「ッ!!?」
「兵長。そんないい方しなくても・・・」
とモブリットが苦笑いして
体をずらしながら後方を振り返る。
モブリットが座っていて
死角でみえなかったソファーに
背もたれに手を伸ばし、もたれかかるように座っている、
リヴァイの姿が目に入る。
ティーカップを指先で持ち一口紅茶を飲んで
「・・・・さぁ、どこから話してもらおうか。」
リヴァイの三白眼がこちらをにらみつける。
モブリットがフィンの前に腕を伸ばして
かばうようなしぐさを見せながら
「リヴァイ兵長、まだ起きたばかりなのに」
モブリットの言葉は遮られる。
「勘違いするな。
話さないならそいつを牢獄にでもぶち込む。
そいつの処分は今、俺に決定権はある。
エルヴィンに判断を任されたのは俺だ。」
冷淡な口調でリヴァイが話す。
モブリットが何か言いたげに、口をつぐむ。
「モブリット、てめぇはクソメガネのところに戻れ。」
「いや、同席させてください。」
モブリットがリヴァイに食い気味に発言する。
リヴァイがモブリットを睨みつける。
「てめぇ・・・・上官の俺に逆らうのか。
お前の耳はクソが詰まってんのか?
もう一度だけ、命令する。
モブリット・バーナー。外に出ろ。」
リヴァイが舌打ちをしながらドアを指さす。
フィンが小さな声で
「モブリットさん・・・だいじょうぶです。
行ってください・・・。」
と裏返りそうな声でつぶやく。
モブリットはフィンに視線を合わせてから、
立ち上がり、俯きながら部屋を出ていった。