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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第7章 紅い過去




その瞬間に、走馬灯のように一瞬で"あの夢"の記憶が蘇った。





___________あの日。



まだ幼かった私に両親は
『私たちは特別な一族なんだよ』
と教えてくれた。


”アッカーマン、東洋人”
という言葉だけを断片的に覚えている。



その次の日にノインが
連れてこられることになっていた。
ノインの両親は、不慮の事故によって
他界してしまっていた。


私は一人、家で帰り待っていた。
両親とノインを元気づけようと、
町に花を買いに行った。

憲兵団のおじさんに道を聞いたら
「珍しい綺麗な髪色だね。」
と褒めてもらった。


嬉しくて私はつい、
両親に教えてもらったばかりの
「アッカーマンだからだよ」
この言葉の重さをわからずに
つい口走ってしまった。



その日に黒い服に身を包んだ男たちが家に来て、
私の目の前で父はナイフで喉を裂かれた。

そして家に火が放たれた。

母は私を燃え落ちた屋根から守って
がれきに挟まれた。


「フィン生き延びなさい
・・・・・必ず・・・生きなさい。」
と母が私の背中を押した。


私はただ一心に炎の壁を突き破り
家を飛び出した。


そのあとはノインが私の手を引いて歩き続けた。



偶然行き着いた孤児院で、育ててもらった。


二人ともわたしが殺したんだと、
幼かった私は懺悔し続けた。

自分を責め続けてやせ細り、
そして日に日に綺麗だった髪の毛が
白く銀色に脱色してしまった……。


ノインは毎日毎日、忘れていいと私を慰めてくれた。
心のどこかで忘れることにより、
私は自我を保てていたのかもしれない。

________



よみがえった記憶は残酷にも
私の体の自由を恐怖で満たして奪った。




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