第7章 紅い過去
いきなりの発言に驚くフィン。
「え・・・・なんで・・・」
かぶせるようにミケが
「オスとメスの匂いが・・・。」
と言葉を濁す。
「・・・・隠してももうわかっちゃってるから・・・
ミケさんに言います・・・。」
と声を震わせ、涙を流しながら
ミケにノインとは血がつながっていないこと、
孤児院から一緒に育った仲だということ、
ノインがずっと自分を想い続けたこと、
今朝あった出来事を全て話した。
ミケは時々フィンの肩に手を添えて黙って話を聞いた。
「・・・・・・つらい思いをしたんだな。」
とフィンに気遣う。
「あと・・・ほんとにすまない。」
とスカーフ越しにフィンの首に触れた。
フィンは
「・・・いいです。
私がしたことに比べたら。
しかも未遂ですし。」
とミケに笑いかけた。
ミケはフッと笑い
「・・・昨晩はあんなに妖艶な色気を出していたのに
処女なんてな。」
といった。
「人前でオヤジを色気で抑え込んでたくせに」
と鼻で笑いながら付け加えた。
「ミケさん見てたんですか・・・」
と恥ずかしそうに目をそらす。
立体起動装置をつけると、自分でも自信に満ち溢れて人が変わってしまう。
とフィンは、ばつが悪そうにミケに話した。
「そもそも、立体起動装置なんかどこで手に入れたんだ」
とフィンに問いかける。
「ノインがある日突然持って帰ってきたんです、
どこで手に入れたのか・・・・
でもいつも宝石とかを地下街で
金銭に変えてたみたいなので、
多分地下街かと・・。」
「ふん、地下街か。
リヴァイの時もそうだったな。
高値で売買されているらしいが・・・。
どうやら、兵団の物資を横流ししている大物が絡んでいるのかもな」
と口元の髭に手を添えながら、うなづいて考える。