第6章 別れと再会
モブリットとミケに先導され、
エルヴィンの仮の団長部屋を訪れる。
簡素な部屋に、大きな机が部屋の奥に置いてある。
団長の部屋だというつくりをしていた。
部屋に入ってから
「私なんかがこの部屋に入って平気なんでしょうか・・・。」
とふと二人に疑問を問いかけてみる。
ミケが「さんざん怪盗やってた奴の発言か。」
と言われ、確かに。と納得して苦笑いで返す。
モブリットが本にしおりが何枚か挟まれているのを見つける。
植物学の本と、薬学の本だ。
薬学の本を開くと、鎮静剤のページにしおりが入っている。
植物学の本を開くと、フィンの目に見覚えのある植物が描かれていた。
”リペミント”
幻覚作用、興奮作用、など薬物乱用が好みそうな文言が書いてある。
そして、【違法ハーブの原料】
と赤文字で書かれていた。
「・・・・この植物・・・私の栽培所にあります・・・。」
ミケとモブリットがフィンの顔を見る。
「ノイン・・・私の兄が、この植物を育てていて、私には防虫効果のある植物だって言ってたんです。
・・・・ハーブの一種だとは知ってたんですが・・・・こんなものだったなんて・・・。」
まさかノインが・・・・?と困惑を隠しきれない様子を
みていたモブリットが優しく頭に手を添えた。
「まだ、決まったわけじゃないだろう・・・?」
と頭をそっと撫でる。
モブリットは本当にやさしい人なんだな‥‥とフィンはその視線に安らぎを感じた。