第6章 別れと再会
「言ったな。
後で善がらせてやるからな。」
と胸元からいやらしい手つきをしていた指を引き抜いた。
モブリットがすかさず、フィンの乱れた服とスカーフを直してくれた。
ミケとモブリットの間に挟まれ、調査兵団の仮の兵舎に連れていかれる。
何人もの調査兵とすれ違い、皆ミケとモブリットが見慣れない髪色の美女を連れ込んだと浮足立っていた。
二人とも他の兵士に目をくれずに、ある部屋を目指す。
コンコンッ_____
モブリットがドアを叩く。
「ハンジ分隊長。入りますよ」
と言ってドアを開けた。
ハンジの名前に反応して一瞬、
フィンは部屋に入るのを躊躇った。
ミケに部屋に早く入れと言わんばかりに背中を押され、
目に入ったのは大量の本をひろげて読み漁るハンジの姿だった。
ハンジが
「なんだよ~今それどころじゃないのに」
と言いながら二人に連れられたフィンの姿を見て固まった。
大きく目を見開きながら
「え・・・
フィン?・・・・
何その髪色・・・・・・?」
とつぶやく。
「分隊長知り合いなんですか!?」
とモブリットが声を上げる。
「・・・・こいつが昨日の義賊だ。」
とミケがフィンの肩を小突く。
「えぇ・・・?
なにふざけたこと言ってるの?
だってその子は紅茶屋の子だよ?」
とハンジが苦笑いで言う。
モブリットとミケが、手紙のこと、
解毒剤のことをハンジに一通り説明する。
ハンジは時々、疑問を二人に問いながら
「匂いでわかるなんてミケ気持ち悪い」
なんて笑いながら会話をする。
フィンは黙ってうつむき、
目を潤ませてまた罪の意識にさいなまれる。
小さく肩が震え始める。