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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第1章 過去と出逢い


嫌な汗をかいたシャツを脱ぎ捨てて熱いシャワーを浴びる。
心地いい温度で気持ちが落ち着かせる。


気持ちを切り替えないと。
今日は”仕事の日”だから。
フィンはシャワーから出て身支度を済ませる。


大切にしている金色の輝きを放つネックレスを胸元にしっかりとしまい込む。
ウィッグと帽子をかぶって何かと目立つ白く煌めく無色の髪の毛を隠す。
フィンは急ぎぱたぱたと自分の部屋をあとにする。



トントン____

階段をおりていくと
先ほどの男性、フィンの兄、ノイン・フレイバンが朝食を準備している。

質素なパンにジャガイモのスープ。
毎日、フィンは兄妹二人、一緒に朝食をとる。
朝食を済ませたら二人で家を出る。

毎日の変わらず、二人で過ごす日課。

______________
ノインは街の酒屋さんで働いている。
酒屋の店主と奥さんには子供に恵まれなかった。
夫婦はわが子同然に私たちを可愛がってくれた。

夫婦の酒屋には貴族たちがこぞって通う。
人気の理由は、ワインからシャンパン、貴族好みの豪勢な酒の品ぞろえとノインの老若男女問わず虜にする、美貌だ。

すらりとした長身。
程よく引き締まったからだ。
黄金に光る黄色の瞳。
後ろ結びに結ばれている長髪が
妹の私からみても色気が溢れている。

貴婦人たちが足しげく通う気持ちもわかってしまう。
でもノインは女性をあまり好きではない。
男性好きというわけではないが、
貴婦人たちや寄ってくる女性をいつも掌で転がすだけ。

興味がないみたいで、妹としては心配になってしまう。

そんなノインは、私のことに関しては甘すぎる。
心配性だったり、私のことを好きすぎる。
自分でもよくわかるぐらいの 溺愛ぶりだ。

年頃の男性の妹としては本当に心配が絶えない。



そんな兄のいる私、
フィン・フレイバンは
小さな紅茶屋【レ・ティアー】を営んでいる。
壁内一とは言い切れないが、紅茶通の人々の間では、
ヤルケル区一番人気なお店だと自負している。



「『今夜の仕事』ほんとに大丈夫か?」
とノインが別れ際に聞いてくる。
「大丈夫!任せてよ!必ず成功させるから」
と即座に返答して明るい顔を見せる。

酒屋の近くでノインに手を振り仕事へと送り出す。


私もくるりと方向転換して店に向かう。



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