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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第4章 それぞれの願い想い




夢見心地に、隣にぬくもりを感じる。

ほのかに香る、甘くさわやかな匂いが
さらに心地よくかった。

朝焼けが満ち始めたころ、ふと目が覚めた。


ふと、脳内に昼間の紅茶屋の娘の顔が浮かぶ。

紅茶のような香りに一瞬とんでもないことを考えてしまった。


リヴァイは大きなため息を吐く。
ありもしない妄想だ。



そっと"彼女"の顔を覗き込む。
安心しているように寝息をすーすーと立てている。


寝顔を見てこの横顔を守りたいと感情が込み上げてきた。

今まで何人かの女の寝顔を見たことがあったが
こんな感情を抱くことは無かった。


リヴァイは眉間にシワを寄せながら軽くため息を漏らした。


顔を見たい。
と思い彼女の仮面に手をかけた
その時赤いものが目に入る。


周りの床に散らばった血のあとを見て
ひとり焦燥感にかられ"彼女"に目を向ける。


左肩から血がでている。

肩に布切れが巻かれているが、
処置が全然なっていな。
酷く出血している。

傷は深くなさそうだが
念の為、目をそらしながら胸元のボタンをはずす。

肩からシャツの隙間を覗く。

背中の傷が目に入った。
火傷跡だろうか…
"彼女の過去"に辛い思い出があったことを悟る。


リヴァイは自分の首に巻いてあったクラバットを
しゅるるっと音を立てながら取って包帯代わりにする。


肩に巻き付けてぎゅっと結んだその時、
「ッ!!」
"彼女"の体が大きく波打った。

起き上がろうとしたとき、すぐに背中を押さえ込んだ。
「……まだ終わってねぇ」
と呟いた。


"彼女"は素直に終わるのを待っていた。

リヴァイは自分の指先に熱が籠っていくのを感じた。

肩に触れているだけでなぜ欲情してるかと呆れた。

彼女に悟られないように俯きながらクラバットを巻き付けた。



「……終わったぞ。」
"彼女"の華奢な体から手を離す。
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