第4章 それぞれの願い想い
月の光が濡れた笑顔が照らし出された。
”恩人”は俺に微笑む。
眩しくて目を細めそうになる。
白い銀髪が月明かりに照らされて、透き通っている。
今までに見たことのない美しい無色の髪の毛はリヴァイの心を引き込んだ。
仮面に阻まれ顔はみえないが黒い瞳が輝いている。
呼吸を忘れてしまうほど、ただあまりにも綺麗だと感じる。
いつの間に聴こえなくなった消えた雨音。
二人でまた微速度の世界に滑り込んでいた。
ただ数秒、見つめ合った。
それだけでお互いのことを全て理解し合えた気がした。
自分自身に今までに感じたことのない憧れを感じた。
あてはまる名前が見つからないこの想いは
後日、恋だと気づいた。
そっと涙を指先で拭った。
少し触れた指先が熱くなる。
滑らかな肌触り、
かすかに震える顔、すべてが愛おしいと感じた。
儚く優しく微笑みを浮かべた顔をみて、
惹かれ合うかのように
静かに唇を重ね合わせた。
唇の感触が心地よくてまた
深い眠りにおちていった。