第4章 それぞれの願い想い
ザーーーーッ
ザーーーーーッ
激しく雨が降り石畳を叩く音がする。
うっすらと意識が醒めてきた。
優しい指先が前髪に触れている。
どこか懐かしい感じがする。
頬にもぬくもりを感じる。
こんなに心安らぐ感覚を初めてだ。
温かさが心地よくて、また眠りそうになった。
突然______。
頬に落ちてきた冷たい雫。
反射的に俺は目を開いた。
微かに降り注いだ蒼い月の光と、潤んでいる瞳が映り込んだ。
なぜ泣いている。
もしかしたら自分のために流している涙なのか。
他人を必死にかばい、泣いているのか。
なぜそんな今にも消えそうな顔をしているんだろうか。
慈悲深い哀しみを浮かべる顔を見つめる。
瞬きする間にリヴァイの脳内はいろいろな思考を巡らせた。