第3章 堕天使の舞踏会
ゴォーンッ_____
ゴォーンッ_______
仮面舞踏会の終わりを告げる、遠く離れた城の鐘の音色が聴こえフィンは冷たい現実に引き戻される。
遠く見渡すと大きかった城が随分小さくみえる。
知らないうちに遠くまで飛んできたことを実感する。
おとぎ話の哀しい終演を知らせるかのように鐘の音色が暗い街に木霊して響く。
鐘の音は遠くに飛んで消え去った。
再び雨音に支配された世界に包まれる。
指先にトクンッと跳ねる鼓動を感じて、リヴァイの存在を思い出す。
離れようとするが、ワイヤーはしっかりとリヴァイとフィンの二人をぴったりと密着させたままの体に絡まっていて離れない。
フィン心臓がうるさく動き回る、激しい鼓動が伝わってリヴァイが起きるのではと心配になった。
そっとリヴァイの顔を覗き込むと、雨に濡れた艶を放ちながら綺麗な寝顔を浮かべている。
うるさい心臓をおさえながら二人を結びつけていたワイヤーを少しずつほどいていく。
静かに眠っているリヴァイの顔を覗き込む。
雨に濡れて、一層美をまとっている。
複雑な心音が自分の体の中で暴れまわる。
まずはけがの確認をしなくちゃ、
と自分に言い聞かせて心臓を落ち着かせる。
怪我を確認すると出血はないが頭が少し腫れている。
脳震盪を起こしていたのはリヴァイもだった。
リヴァイの顔色がうっすら血色を帯びているので、
怪我は大したことなさそうで安心する。
リヴァイの無事に安堵して自然と笑みがあふれる。
落ち着いてきた心臓がまた熱を帯びて慌て始める。
ただ触れてみたい。
自分の欲が勝る。