第3章 堕天使の舞踏会
落下していくなかで自分の体とリヴァイの体にアンカーを放ってワイヤーを絡ませた。
アンカーを壁に刺そうとするが雨が強くて全く刺さらない。
何度も壁は冷酷に弾き返した。
加速してどんどん落下していく。
あぁ…もう終わってしまうんだ。
死ぬんだ。
と目を閉じて諦めかけた。
『生きなさい』
"あの夢"の声が頭に鳴り響く。
生きることを諦めさせない言葉は
フィンの力を最大限に引き出す。
全身から力が漲る。
アンカーを刺さる場所が今はわかる。
アンカーが刺さった先にリヴァイと、二人でなだれ込んだ。
四方壁に囲まれている高い鐘台にたどり着いた。
銃撃の心配は無さそうだ。
鐘の周りは広々とした空間が広がっている。
力尽きたフィンは
しばらくリヴァイの胸の上に塞ぎこみ、体を休めた。
荒れ狂う風と強い雨音が響くなか、
リヴァイの心音を聴いて、"生"実感する。
トクン…トクン…
リヴァイの心音はゆっくり流れる。
こんなに心安らぐ音を初めて聴く。
ずっと聴いていたいな……と思い
フィンはリヴァイの鼓動にに耳を澄ませた。