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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第3章 堕天使の舞踏会



フィンは人混みに隠れながら城内の奥へと向かった。


最奥部の広間に堂々と飾ってある絵画。
今回の狙いはこの絵だ。


描かれた絵画に
夜空と満点の星たちが描かれている。


そしてダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイヤ。
彩とりどりに、散りばめられている。

きっと後から絵画を買い取った貴族が、
自分の財力を誇示するために宝石を付け足したのであろう。


宝石の煌めきに劣らない、繊細なタッチで描かれている、
一羽の大きな白い鳥が絵画のなかから、
今にも羽ばたこうとしている。

この鳥はどこに飛んでいこうとしてこんなところに囚われてしまったのか。

皮肉を込めながら思いを巡らす。

額縁から絵画を外し、手早く折りたたんで隠し持っていた筒に入れ込む。



身にまとっていた群青色の衣裳を魔法を溶いていくかのように、するすると脱ぎ落す。

ドレスの重さがなくなりより身軽になった。



足元から立体起動装置が現れる。
太腿に添わせるように隠していた鞘を正しい位置につける。

漆黒色のマントと、フードを深くかぶる。
絵画を入れた筒を背に担ぎ、額縁の前に
そっと堕天使の痕跡、一枚の白い羽根を置く。



立体起動装置に手を添え、
「・・・大丈夫。」
祈るように膝をつき唱える。

この翼からまた強さを借りよう。


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