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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第3章 堕天使の舞踏会



フィンは、すぐに体をくるりと翻して、
エルヴィンの首元に火照った指先を這わせていく。

「天使だなんて、
お世辞がお上手ですね。」
と色めいた笑顔で話す。
指先をエルヴィンの脈打つ頸動脈にむかって這わせ、
ぐっと脈打つ血管を人差し指の腹押さえ込む。


ドクンッドクンッと力強く脈打つのを感じながら、
エルヴィンの目を見透かすように乾いた笑顔で見つめる。



エルヴィンの蒼い瞳が大きく見開かれ、
「あぁ……
堕天使と呼んだ方が好みでしたか?」
と冷徹な表情でフィンの顔を覗き込む。


「この衣裳の下にはどんな秘め事があるのか
ぜひ脱がせてみたいものだ」
とフィンの腰に手を回して、ぐっと力強く引き寄せる。



フィンは唇が少しで触れそうな距離まで顔を近づけ
「……女から秘密を奪ってしまったら、なにも残らないの。
すてきなお誘いだけど、守りたい秘密は譲らないわ。」
と甘い声で囁き目を細めながら蒼い目を睨む。

エルヴィンが唇をもっと近くまで寄せる。

熱い吐息を感じながら触れるか触れないかの距離で
「甘い時間は終わりにしよう。
私の部下が城内に紛れている。
逃げることは難しいだろう。
騒ぎを起こすのは懸命な判断ではないだろう。」
と淡々と冷たい口調で喋り続けた。


「君が大人しく捕まってくれたほうが、
私としても助かるんだが。」
と冷徹な笑顔を向けてくる。



フィンはエルヴィンの顔を見上げ
「…わかったわ。
貴方の言う通り捕まってあげる。」
とフィンの細い指がエルヴィンの髪をかき上げる。


「でも勝負に勝ったご褒美は今すぐに頂戴。」
エルヴィンの胸元に顔を沈める。

「…逃がせという願い以外はぜひ従わせてもらおう。」
と笑いため息混じりに返す。

フィンは再び艶やかな瞳でエルヴィンの顔を見上げる。
「貴方の愛を少し頂戴。」
エルヴィンの唇から瞼にそっと指先で撫で上げる。



エルヴィンの瞼を静かに閉じフィンに口付けしようとする。


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