第20章 悪戯と祝杯
「結局フィンは誰がいいの?」
「‥…そんなに急に言われても‥…。」
フィンは火が出そうな表情をハンジに向ける。
「フィン可愛いね。
誰も選んでないなら、私はどう?」
「へ?」
ハンジがそっとフィンの顔に手を添える。
「おい、メガネっ」
リヴァイが慌てて立ち上がった。
同時にハンジの唇がフィンの唇に重なった。
硬直するフィン。
さらにハンジは唇を重ねてくる。
そっと唇が離れフィンの肩にハンジが頭を置きながら呟いた。
「・・・・フィンの唇、柔らかい・・・。」
「ハンジさん!飲みすぎですよ!!」
「おい。クソメガネ。」
とモブリットとリヴァイが駆け寄る。
モブリットがハンジを揺する。
「・・・・ハンジさん
寝たみたいです・・・。」
フィンは真っ赤な顔をリヴァイとモブリットに向けた。
酔いつぶれたハンジをリヴァイとモブリットが
担いで部屋に連れて行った。
リヴァイはハンジを睨み付けながら、
嫌な顔をしてエルヴィンの部屋を出て行った。
「・・・フィン。」
エルドがフィンの座っている前に片膝をつく。
「フィン。キスしていい?」
エルドは酔った顔で笑い口走る。
「エルドさん、前も言ったけどダメです。」
「エルド、お前二回も断られているのか?」
ミケが笑い出す。
「覚えてないけど・・・?
そうなの・・・?」
「これもまた忘れるんでしょうね、
せっかくの色男が台無しです・・・。」
フィンは悪戯に笑った。
「その顔・・・・そそるんだよね。」
エルドがフィンの顔に大きな手を添える。
フィンの顔はみるみる赤くなっていく。
「エルド、いい加減にしなさい。
かりにも団長の前だぞ。」
「はい!!」
エルドが慌ててフィンの顔から手を離した。
エルヴィンは冷たい笑顔で、
「そろそろお開きにしよう。」
「はい!」
エルドとフィンは空いたグラスと
酒瓶を片付け始める。
「グラスどこに持っていけば??」
「あぁ食堂から借りてきたら持っていくよ。」
エルドがふらつきながらグラスを持っている。
「危ないから私も行きます。」
「俺も行こう。
エルヴィンは先に休んでくれ。」
ミケは立ち上がった。