第20章 悪戯と祝杯
「俺も是非聞きたいな。」
ミケがいたずらに笑みを浮かべる。
指先であごひげをいじりながら呟いた。
「ほら、みんな言ってるよ!!
じゃあ処女あげなくていいよ!
誰とデートする!?」
「いや、それも・・・・
誰にするかって話と変わらないじゃないですか・・・。」
フィンはため息交じりに
困った顔でモブリットと視線が合った。
「やっぱりモブリット?
一番素直にフィンのこと好きって
アピールしてるもんね?」
「・・・・いえ・・・
そういうわけじゃ・・・。」
モブリットが肩を落とす。
「みんなフィンの処女狙ってるのに!」
「またそういこと・・・
からかわないで下さい・・・。」
「え、ここにいる男みんなフィンのこと、
特別な目で見てるよ。」
ハンジがにやにや笑う。
「・・・ハンジさん、あんた
ここにいる男に恨みかってどうするんですか・・。」
モブリットが苦笑いする。
「・・・・僕はフィンに惹かれてますが。」
モブリットは赤面する。
すぐに赤くなるモブリットさんは可愛い。
「可愛いね。モブリットは」
ハンジがフィンのかわりに
けらけら笑い出す。
「ほかの男性諸君は?」
ハンジが笑いながらリヴァイの顔を覗き込む。
「ミケだって狙ってる宣言したじゃん。
あ、エルヴィンとリヴァイは失敗したのか。」
腹を抱えて大笑いするハンジ。
「ハンジさん、その言い方は
ちょっと・・・・。」
フィンがハンジのに苦笑いする。
「失敗なんかしてねぇ。」
「リヴァイさんッ・・・
それ以上はやめてッ・・・」
フィンは耳まで赤くなる。
「私も失敗はしてないな。」
エルヴィンまで口を開く。
「エルヴィンさんごめんなさい・・・。」
「・・・・フィン、思い出したのか?」
エルヴィンの顔がみるみる赤く染まる。
「・・・・・フィンとデートしたいな。
俺は。一緒に服でも買いに行く?」
エルドがフィンに笑いかける。
「エルドさんっ、僕も明日は非番です。」
モブリットがエルドに呟いた。
「・・・・・もう、情報量が多くて
今誘われても無理です・・・。」
フィンは耳まで真っ赤になる。