第20章 悪戯と祝杯
「・・・・は?フィンが?
どうやって・・?」
ミケは予想外の発言にフィンの顔を覗き込む。
「・・・・・手錠をして
エルヴィンさんを襲いました・・・。」
フィンは火が出そうな顔で呟く。
「お前・・・・処女のくせに、大胆だな。」
鼻で笑うミケ。
「もう・・・・これ以上やめて・・・・」
フィンが泣き出しそうな顔をミケに向ける。
「どんなふうに襲ったんだ?」
ミケの唇がフィンの首元に這っていく。
「ミケさんッ・・・
もう言ったのにッ・・・」
「まだ、全部聞いてないからな。」
ミケが首元のスカーフをどかして
顔を胸にうずめていく。
「・・・・私、
口でしたんです・・・。」
「・・・・」
ミケがフィンの方に顔を上げる。
「フィン??」
フィンの後方から声がする。
ミケがフィンの腕を離して
二人で振り返ってた。
「ミケ分隊長もいたんですね、
フィン体は平気?」
モブリットが近づいてくる。
フィンは火照った顔のまま
モブリットの方へ駆け寄っていく。
「モブリットさん、
勝手にいなくなってごめんなさい・・・」
「いや、いいよ。
体調が悪いならまたほかの日に・・・」
「フィンはエルヴィンと飲みたいらしい。」
「!?」
ミケの方向に振り向く。
「無理なら俺の部屋で休むか?」
「・・・・飲みたいです・・・。」
モブリットの顔を見上げた。
「・・・・・そう?
大丈夫ならいいんだけど。
みんな待ってるから行こうか。」
モブリットは優しく微笑んでくれる。
モブリットの後にフィンが続く。
ミケと視線が合う。
ミケは人差し指を立てて口元に添え
笑みを浮かべている。
フィンは首を横に振って
モブリットの後を追っていった。
エルヴィンの部屋の前につく。
モブリットがノックをして部屋に入る。
フィンも大きく深呼吸してから部屋に入った。
横並びのソファーにみんな並んで座っている。
奥から順にエルヴィン、リヴァイ、
向かい側にハンジ、モブリットが座っていたであろう空席、エルドが座っていた。
フィンはなるべくエルヴィンに視界を合わせないように、ソファーの前の机に目を向ける。
色とりどり、たくさんの種類の酒瓶が並んでいた。