第20章 悪戯と祝杯
「なにって・・・・
言えません・・・。」
「言えないことしたのか。」
ミケの吐息が耳元にかかる。
「ミケさん、くぐったいですッ。」
「・・・・ふっ」
鼻で笑うミケ。
「・・・・ッ。」
「耳、弱いのか?」
ミケが耳元で囁く。
「・・・・ミケさん、近いッ。」
フィンから離れようと
ベンチから立ち上がろうとするが
すぐ阻止され腰を落とす。
腕を掴まれ、逃げられない。
「・・・・なにしたのか、教えろ。」
「・・・・嫌ですッ・・
言えないッ・・・・。」
フィンが苦しそうにミケに言う。
「なら、続けるぞ。」
ミケが耳元で囁き、そっと耳にキスを落とす。
「・・・・・・ッ。」
「リヴァイと・・・?」
「・・・・部屋に行ってから
すぐに寝ちゃったんです・・・。」
「違うだろ?」
ミケがフィンの耳を噛む。
「・・・いたッ」
「なにした?」
「わかりましたッ。
話すから離れてッ・・。」
「・・・・」
ミケの唇が耳から遠ざかっていく。
フィンは顔を俯きながら
「・・・・・リヴァイ兵長に襲われて
途中で私、気を失ってしまったんです・・・」
フィンが赤面しながら話した。
「・・・・なるほど・・・・。」
ミケはリヴァイからした匂いを思い出して
「アイツも我慢強い」
と鼻で笑った。
「エルヴィンとは?」
「もう勘弁してください・・・。」
泣きそうな顔をミケに向ける。
「そんな顔されると逆に気になる。
あとそそられるな。」
ミケがまたフィンの耳元に唇を近づける。
「ミケさんッ・・・・誰かに見られますよッ。」
「俺はフィンと噂になっても構わないぞ。」
「そういう問題じゃッ・・・ここ外ですよッ・・・。」
「じゃあ部屋に来るか?」
「いやッ・・・無理ですッ・・・」
「一晩中ゆっくり時間をかけて善がらせてやる。」
ミケのうっすらと生えた口ひげが耳をかすめる。
くすぐったくて
「・・・・ふッ・・・」
とフィンは甘い吐息が漏らす。
ミケが耳たぶを甘噛みする。
「・・いたッ・・・ふぁッ・・・」
フィンの耳をミケの唇が撫ぜ込む。
「エルヴィンさんを・・・・
襲っちゃったですぅッ・・・・」
フィンが真っ赤な顔でミケに呟く。