第20章 悪戯と祝杯
馬車を降りて、三人で木箱を降ろす。
紅茶の箱をリヴァイ部屋に運ぶにしろ、
酒の入った木箱をどうしたものか‥…?
すると兵舎からハンジが手を振りながらでてきた。
モブリットも後についてくる。
「もう帰ってきちゃったの?」
ハンジがフィンたちに目を丸くする。
「はい。
だいぶ時間かかったと思うんですけど‥…。」
「残念だったね、モブリット。」
「ハンジさんのせいです‥‥‥。」
「私だって残念だよ。
フィンの店に行きたかったんだ。」
「二人ともお店に来ようとしてくれてたんですね‥‥‥。」
「紅茶なら全部リヴァイさんが買ってくれたので、
持ち帰ってきましたよ。」
フィンは木箱を指さす。
「リヴァイ~少し分けてよ。」
ハンジがリヴァイの顔を覗き込む。
「ちッ・・・。
言われなくても分けるつもりだった。」
リヴァイが不服そうに呟いた。
「わぁ!すごい量の紅茶、いい匂い。
ん?お酒ですか・・・?」
モブリットが木箱から紅茶と酒瓶を取り出す。
「あぁ、そのお酒、
みんなで飲むようにってもらったんです。」
フィンがモブリットに呟く。
「え?いいのぉ?」
ハンジが嬉しそうに身を乗り出す。
「ハイ。みんなでよければ、
飲みましょう。」
「エルヴィンの部屋で飲もう!!」
ほら、行くよ!!
とハンジはフィンを引っ張り
エルヴィンの部屋を目指し歩いていく。
「紅茶、兵長の部屋にとりあえず運びますね。」
ハンジに引っ張られながら
エルドとリヴァイの会話が聞こえた。
モブリットが重たそうに
酒の入った木箱を運んでついてくる。