第19章 鍛錬と看板娘
淹れたての紅茶にお酒を注いでいく。
「ロングアイランドティーです。
どうぞ。」
「ほぅ・・・。」
「あ、兵長。
このお酒の言葉知ってますか?」
「・・・・さぁ。」
リヴァイがティーカップ片手にエルドを見る。
「《希望》だそうです。」
「エルドさんそのことは、
覚えてたんですね。」
クスクス笑いだすフィン。
「ちゃんと覚えてるよ。
フィンが教えてくれたんだから」
「・・・・・ほぅ。」
リヴァイの視線が冷たくエルドを睨む。
「《希望》にカンパイ」
エルドとフィンとリヴァイと乾杯をする。
「希望に」
リヴァイも小声で呟き
一口飲んだ。
「……ほぅ…
悪くねぇ………。」
「合いますよね。」
エルドがリヴァイに同調する。
フィンはおいしいと笑みを浮かべながら飲む。
「飲みやすいから気を付けないと……。」
エルドが困った顔で呟いた。
「エルド、お前は特にだな。」
リヴァイが鼻で少し笑った。
「はい・・・・・。」
しゅんとしながら、三人で飲む。
フィンはお店ある紅茶の在庫をエルドに
手伝ってもらいながら大きな箱に詰めていく。
馬車を手配できれば、なんとか一度に運べそうだ。
店内に並べてあった紅茶の袋はなくなり、
ガランとさみしくなった店内。
この状態を見たらおばさんは喜ぶだろうけど、
しばらくお店は休みにしなきゃ・・・
一からたくさん用意するのは大変だろうな・・・。
とフィンからクスッと笑みがあふれる。
カランカラン____。
ドアが開いた。
噂をすればおばさんたちが、店内に入ってきた。