第19章 鍛錬と看板娘
「そうですね・・・。
家のことも、レ・ティアーのことも・・・
ノインのことも・・・・。」
フィンは自分の手の包帯を見ながら呟いた。
「フィン、一つ一つ片づけよう。
お兄さんのことは憲兵団に今は任せて、
まずは家とお店のことを考えよう。」
「・・・・はい。」
ハンジはよし!
と言いながら、
「私が一緒に」
「分隊長は今日までの書類仕事を
片付けないとだめです!!」
モブリットがハンジの言葉を遮る。
「モブリット、頼んだよ。」
「ダメです、今日中に分隊長がしないと。」
フィンは二人のやり取りに笑みをこぼす。
「行くぞ。」
フィンに鋭い視線を向けながら
リヴァイが席を立つ。
「午後の訓練は・・・?」
エルドがリヴァイに問いかける。
「なんだ、エルド。
まだ元気があるのか。」
「いえ、ありません。」
エルドも席を立つ。
「午後は休んでいいぞ。」
「ありがとうございます。」
エルドは喜びの溢れた声色になる。
「おい、いつまで座ってんだ。」
リヴァイがフィンに呟く。
「はいっ!!
でも私一人で帰るので大丈夫ですよ・・・?」
と立ち上がる。