第19章 鍛錬と看板娘
「もうっ、渡さないでくれ!!」
「俺らの身が持たないよ。」
「大丈夫?二人とも・・・・」
フィンがエルドに短剣を渡し、
二人に笑いかける。
「やっと解放される・・・」
とモブリットが歓喜の表情を浮かべた。
「二人とも朝から・・・?」
「朝からリヴァイ兵長の訓練に付き合って、
その後から休憩なしだよ・・・・。」
エルドが頭を抱えながら話す。
空を見上げると太陽が昇り切り、
きっと昼時はとっくに過ぎている。
「・・・・こんな時間まで?」
フィンは驚きを隠せない。
「二人とも大変だったね・・・。」
苦笑いを浮かべながら二人の肩に手を置く。
ハンジも後ろから二人の背中を叩いた。
「リヴァイの機嫌損ねると怖いね!」
発言とは裏腹にハンジは楽しそうだ。
「分隊長、あなたには人の心がありますか」
モブリットは真顔でハンジに話す。
フィンとエルドは二人のやり取りを
聞いて、クスクスと笑い出す。
「おい。
飯いくぞ。」
リヴァイがエルドとモブリットの横を通り過ぎて行く。
「はい!!」
二人とも喜びながら即答する。
「フィンもお昼まだだよね?
私たちも行こうか。」
「ミケは?もう食べた?」
ハンジがミケに向かって聞く。
「あぁ。俺はいい。」
ミケはこちらに手を振り、訓練場に戻っていった。
フィンとハンジもリヴァイたちの
後を追うように食堂へ向かう。
食堂につくと
昼時を過ぎているからか
ちらほら兵士たちがまばらに座って
休憩をしている。
空いてる席にリヴァイたちが席に着く。
「ハンジさん、ここ。」
と、モブリットが手招きしている。
モブリットの横にハンジ、フィン。
テーブルを挟み、目の前にリヴァイ、
その隣にエルドが席に着いていた。
食事を運び、それぞれ食べ始める。
「フィン、昨日の夜は
エルヴィンと一緒の部屋?」
ハンジの言葉にフィンは飲んでいたスープを
吹き出しそうになる。
器官に入り咳き込む。
汚ねぇな。
と言いたげなリヴァイの視線が視界に入る。