第3章 堕天使の舞踏会
フィンは真っ直ぐにシャコールに艶然とした瞳を向けた。
・・・・・そっと深くお辞儀をする。
ヒソヒソと話していた外野が黙り込み、
再び城内は緊張に包まれつつ静まり返った。
フィン隠微の色気を放ちながら
「今宵は”誰か”ということを抜きに楽しむ
夜会かと間違えておりましたわ。
貴方がどこの”誰か”を告げた時点で、
私は貴方と艶事を楽しむことはもうできません。」
と醜男の下半身の膨らみを扇子でなぞり上げる。
一瞬にして男根がむくりと起き上がってきた。
慌てて手で隠すが、群衆は見逃さなかった。
城内が憐みとあざ笑い声が漏れ始める。
フィンが艶やかな肌を合わせながら
シャコール・ハイドルフに扇子を広げてそっと耳打ちする。
「・・・・・!!
次に会ったら覚えておけ!!」
とシャコールは逃げ台詞を吐き出し、人ごみをかけ分け消えていった。
パチパチパチ______
と拍手が鳴り響いた。