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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第18章 馬車に揺られて





しばらく馬車は揺れながら
調査兵団の宿舎前で止まった。


エルヴィンが先導する。
「さぁ、つかまりなさい」
フィンに手を差し伸べリードしながら馬車から降りた。


紳士的なエルヴィンの振る舞いに
フィンは自然と声色が明るくなる。

「ありがとうございます。」


宿舎の方に進んでいくと
調査兵団の兵士たちの訓練の様子が目に入る。


フィンは足を止めて
立体機動装置で訓練する様子を静かに眺めていた。


エルヴィンがフィンの後ろか顔を覗き込む。

「フィン体調は回復したかな?」
エルヴィンが不意に耳打ちする。

「へっ、
あっはい!
もう万全です!!
まだ手は痛みますが、
肩の傷は完全に塞がったみたいです」

エルヴィンの突然の耳打ちに動揺するが、
元気そうに肩を回して見せるフィン。


「君さえよければ、立体機動装置の腕前を
披露してくれないか?」


「えぇ!いいんですか!!」
フィンは目を輝かせて嬉しそうにする。


「あぁ。ぜひ頼むよ。」
エルヴィンが微笑む。




エルヴィンと立体機動装置の置いてある倉庫に足を運ぶ。


フィンの装置が目に入る。

エルヴィンがふと疑問を問いかける。
「君の立体機動装置の腕はどこで磨いたんだ。
訓練兵に所属していなかったんだろう?」


「……兄によく山や森に連れて行ってもらい、
密かに練習を重ねました。
すぐに使いこなせるように
なってしまったんですけど…」

エルヴィンの瞳が丸くなる。

「やはり君もリヴァイ同様に逸材だな。
また新しい風を吹かせるのかもしれないな‥‥。」

「リヴァイ兵長‥‥って地下街にいたんでしょうか‥‥?
団長は‥‥」

フィンは言いかけた言葉を中断して口を噤む。


「なんでも聞いて構わないよ。」
エルヴィンは優しい瞳を向ける。



怖いけど……知っておきたい。
そっと口を開く。
「……リヴァイ兵長の
ファーランという仲間を知っていますか……?」


やさしく瞳を覗かせていたエルヴィンの顔色が曇った。



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