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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第18章 馬車に揺られて




フィンは熱いシャワーを浴びながら、
昨日の記憶の整理を始める。


昨晩はナイルさんとお酒を楽しく飲んで、
そのあとに‥…
その後に、エルヴィンも仕事を終えて飲みだしたんだ。

その時にまた自分の処女の話をされたんだ‥…。
酔っていたから拗ねた記憶を思い出す。

同時にエルヴィンとナイルにありのままの姿で生きていきたいと話したことを思い出した。


窓から降り注ぐ朝日に照らされた髪の毛はキラキラと眩く光っていた。
髪を見ながら決意を固める。
"仲間を信じよう"
心の中で呟く。




再び記憶を辿る。
断片的にしか覚えていない。
うろ覚えしているのは、ただ浴びるようにお酒を飲んだこと。



たまにノインと家でお酒を嗜み、
飲んでいたがこんなに二日酔いに陥るまで飲んだことは無い。
自分が酔うとどうなるか知らなかった。


エルヴィンのいやらしいことの真意が気になる。
部屋を出る時にエルヴィンにされたキスされ手の甲が熱くなってくる。
フィンの脳内には大きな蒼い目で見つめてくるエルヴィンの顔が蘇る。
フィンは手をパタパタとしながら熱を冷まして自分の中の邪念を心から追い出した。


そして必死に記憶の糸をたぐり寄せる。
フィンが思い出そうとしても頭は痛むだけだった。


「だめだ……全く思い出せない。」
フィンは一人で頭を抱えながらシャワーから上がり、身支度をする。


鏡の前に立ち自分の姿を眺める。
顔を覗き込むと、ズキズキとまだ痛む頭と軽い吐き気を
伴うほどの二日酔いの割に幸い顔のむくみは少なくて済んでいる。


酷い有り様の自分を見て苦笑いが浮かばせる。
鏡にうつしだされ自分の顔は不安の表情をしている。




廊下で何人かの憲兵団とすれ違う。


珍しい髪の毛はやはり格好の注目の的だった。



いつもの自分なら恥ずかしくて俯いてしまう。


しかしもう違うんだ、と
フィンは堂々と顔をあげて
軽やかに憲兵団に挨拶を交わし
エルヴィンの待つ憲兵団支部の入口を目指した。


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