第18章 馬車に揺られて
「私、自分の部屋に戻りますね‥‥。」
「‥…そうだな。
汗をかいただろうから、シャワーを浴びた方がいい。」
後ろから見てもわかるほど耳の先まで赤くなっていく、フィン。
フィンのかわいらしい仕草に、エルヴィンの口元は緩めた。
フィンはパタパタと足早にエルヴィンにお辞儀をして自室へと戻っていった。
エルヴィンも熱いシャワーを浴びながらフィンのことを思い出し、浮ついた表情をしている鏡に映った自分にため息をついた。
今日は兵舎に戻ってから療養していた分の書類の山を片付けなければならない。
現実に引き戻されたエルヴィンは大きくため息をついた。
エルヴィンは兵服を帰り支度をしながらら
ベッド近くの床に隅に置き、落ちていた手錠を手に取る。
昨日の”行為”を思い出す。
いい年下大人が情けないな。
と深い深いため息をつき一人首を横に小さく振る。
片手を眉間の添えながら首を横に振り、カバンに冷たい手錠をしまい込んだ。
ふと外を見上げると空は昨日の天気とは反転し、雲一つない晴天だった。
壁外調査日和だ・・・・。
とふと、団長の職業病が出てしまうエルヴィンだった。
一晩の休みはあっという間だったと
小さく息を吐き扉を開け部屋を出ていった。