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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第18章 馬車に揺られて


猛烈な頭痛と吐き気で目が覚める。
視界はグラグラと歪みほのかに残る酒の匂いで最悪な二日酔いの状態だと理解する。


ふかふかのベッドの感触とズキズキと痛む頭痛でまた眠りにつこうと、体勢を変える。

寝返りと打つとフィンの視界には、エルヴィンの寝顔が目いっぱいうりつこむ。

「えッ?」
フィンの寝起きの乾いた声が響く。


フィンが声を上げた瞬間に
エルヴィンの蒼い大きな瞳がぱっと見開く。
「・・・おはよう、フィン。身体は平気か?」


エルヴィンがフィンの腰に手を回す。
厚く逞しい胸板に引き寄せられる。


身体は平気?
二日酔いのことだよね……?
それとも…?

フィンは慌てて自分が服を着ているか確認する。


ぶかぶかで胸元が大きく開いたシャツを着ている。

服が変わってる!
冷や汗が背中から、一気に吹き出た。
「!?」
フィンの顔は火が付いたように紅色に染まる。


「エルヴィンさんッ、
私・・・・エルヴィンさんと・・・?」
恥ずかしそうに顔を掛け布団で覆う。


顔を隠した掛布団をエルヴィンがそっと降ろさせる。


「・・・・昨日はよかったよ。」
ニコッと笑いかけるエルヴィン。

エルヴィンの一言にフィンの身体が熱くなる。

嘘……こんなかたちで、まさか初めてを終えるなんて・・・
フィンが目を細めて記憶を思い出そうとする。


「・・・もう一回か?」
フィンの腰に回されたエルヴィンの男らしいて大きな手が少しづつ下半身へとのびていく。

「エルヴィンさんっごめんなさい、私覚えてないです」

顔を赤くしながらフィンは目に涙を溜める。



フィンの腰に回された手の動きが止まった。
エルヴィンは額に片手を当てている。
「エルヴィンさん……?」

「‥‥本当にしたくなるな。」

「‥…?」

「まだ、キミの初めてをもらっていない。」

………へ?」

フィンの呆気にとられた顔を見て
エルヴィンが嬉しそうに目が輝く。

「・・・・昨日、大胆なキミは私を襲うだけ襲って寝たんだ。」

エルヴィンの言葉が耳を抜けていく。

言葉の理解に数秒かかった。


「え‥‥襲った?
エルヴィンさんを?どうやって‥‥?」
考えると頭がズキズキと痛みだした。
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