第16章 友人と乾杯
ナイルがフィンの前にグラスを置く。
トプトプとブランデーが注がれる。
「上物だぞ。」
とナイルが嬉しそうにつぶやく。
「わぁ、いいにおい。」
「カンパイ」
二人でグラスを合わせて、一口飲む。
ほろ苦く香り高いブランデーの味に
「・・・・おいしい」
とフィンは笑みをこぼす。
エルヴィンが資料を見ながら
「フィン程々しておくように。」
と笑いかける。
「エルヴィン、保護者みたいだな」
とナイルが笑う。
「あぁそうだな。
フィンはまだ若い。
私も心配だ。」
ナイルがぎょっとする。
「私お酒は強いので・・・・」
フィンがふふっと笑ってごまかす。
「そうか・・・・まだ若いのか・・・・。
エルヴィン、趣味」
「滅多なことを言うんじゃない。」
エルヴィンがナイルの発言を遮って
にらみを利かせる。
ナイルと雑談しながら
お酒を飲み交わす。
お互いいい気分になり
顔が赤くなる。
ナイルが嬉しそうに、
エルヴィンと訓令兵時代からの同期だという話、
エルヴィンと立ち寄った飲み屋の女性に一目惚れをしたのが妻マリーだったこと、
産まれてくる子供のことが楽しみで仕方がない様子だった。
憲兵団の活躍話もフィンに聞かせる。
「気が変わったらフィンも憲兵団に来ればいい」
上機嫌にナイル話す。
「ふふっ。
私なんかじゃ上位10名に選ばれないので難しいです」
と冗談めかす。
「上官には媚び売っといた方が有利だぞ。」
とナイルが笑う。
「今の話をマリーの耳に入れたいものだな」
エルヴィンがニヤリと笑う。
「もちろん冗談だ」
「フィンは調査兵団がもらう」
「そうです。私は調査兵団に入るので」
っとフィンもエルヴィンに続けて話す。