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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第15章 少女の独白




「フィン・フレイバン、
顔を上げてくれ。」

ナイルが話す。

「・・・・・。」
涙を流しながらフィンは顔を上げる。



「エルヴィン、今の話は調査兵団での
調書内容と相違ないか。」


「あぁ。これが昨晩の尋問内容だ。」
エルヴィンがカバンから書類を出す。

ナイルがエルヴィンから
書類と古びたノートを受け取る。


フィンの話と相違のない書類を見て
「そのノートとやらはこれか。」
とエルヴィンから手渡れたノートを見開く。


「・・・・・ふむ。
ただちにノイン・フレイバンを殺人罪、
および違法薬物の精製者として指名手配をかけろ。
手配書の範囲は全壁内で」

壁際の兵士に向かってナイルが命令を出す。


何人かの兵士が
「はっ!!」と返事をして
慌ただしく部屋を後にする。


フィンは自分の吐いた嘘のせいで
指名手配、犯罪者にされたノインのことを思い
叫びたくなる感情を押し殺す。


唇を噛みしめ、
手の包帯を握り潰し続けた。



ナイルがフィンの手が
血に染まっていることに気づく。
「おい・・・・血が出ているぞ・・。」


「・・・・・そんなに自分のことを責めるな。」
エルヴィンの声が後ろからした。


エルヴィンが震えている拳を開かせる。


ナイルにフィンの小さな手についた
痛々しい裂傷が見える。


普段刃物を扱わない人間が
刃を握りめるなどいかに無謀で
危険なものなのかナイルに再認識させた。

それほど必死に他人の命を守ろうとしたのか。


この女性の処遇が悩ましい。

そう考えながら
「だれか、救急箱を持って来い。」
と兵士に声をかけた。
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