第14章 甘い朝はいかが?
「今までは・・・・・
ノインがずっとそばにいたので・・。」
とフィンは悲しそうに呟いた。
「相当お兄さんは手を焼いていただろう。」
とエルヴィンが微笑んだ。
リヴァイが
「・・・・・オイ。
お前のその天然で
たらしこむのは程々にしろ。」
とため息を大きく吐きながらぼやいた。
「フィンは笑っていた方がいいと思います。」
モブリットがフィンたちに向かって呟いた。
リヴァイが下からモブリットを睨みつける。
「モブリット。
エルドと一緒に俺が今日訓練つけてやる。」
リヴァイがモブリットの肩に手を置きながら
冷たい口調で言い放つ。
「ははっ・・・・
もう冗談やめてくださいよ・・・。」
と乾いた笑顔をリヴァイに向ける。
フィンがクスクスと笑い出す。
「……お前も気を引き締めろ。」
リヴァイがフィンの頭を掴み、
わしゃっと撫でた。
フィンは笑顔で
「はい。」
「……いつまで笑ってやがる」
リヴァイが眉間にシワ寄せる。
「……可愛い顔も大概にしなさい。」
エルヴィンがそっとフィンの頬を
大きな手で包み込む。
フィンは赤くなって下を俯く。
「エルヴィンさん……みんな見てます……」
俯きながら小さな声で呟く。
「……そうだな……
でも君を静かにさせるには
一番これが有効かと思ってね」
エルヴィンがイタズラに笑いながら
フィンの顔を覗き込む。
チッとリヴァイの舌打ちが隣で聞こえる。
下からエルヴィンを睨みつけている。
「団長、憲兵団の馬車が来ます!」
フィンの顔が強ばる。
ミケが後ろからそっと肩に手を置いた。
「大丈夫だ、エルヴィンを信じろ。
フィン。お前の魅力もな。」
ミケは鼻で笑ってから
すぐに堅い表情に戻り、
フィンの肩からそっと手をはずす。
馬車が到着した。
ぞろぞろとユニコーンと盾の描かれた紋章を背負った兵服に
身を包んだ人達が馬車の前に綺麗に整列する。